福島県で建設キャリアアップシステム（CCUS）に登録するには？

　福島県でも徐々に建設現場に導入され、認知度が増してきた建設キャリアアップシステム（通称：CCUS）ですが、いざ自分達も登録したいと思っても、実際どうやって登録するのか分からない方も多いと思います。そもそも建設キャリアアップシステムが何なのかが曖昧で、登録するかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。本記事では、建設キャリアアップシステムの目的・登録する必要性・登録の方法などに関して、CCUS登録行政書士が説明しております。ぜひ最後までお読み頂き、福島県で建設業を営んでいる経営者様や一人親方様、作業員様のお役に立てれば幸いです。

福島県で建設キャリアアップシステムに登録する方法

そもそも建設キャリアアップシステムとは何？

　建設キャリアアップシステムは通称CCUSと呼ばれ、これは『Construction Career Up System』の頭文字をつなげたものです。本記事では以後、建設キャリアアップシステムのことをCCUSと記載します。CCUSのホームページを見ると本システムの説明は以下のとおり記載があります。

『技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステム』

　抽象的な文言なので分かりづらいと思いますが、要は『CCUSは建設会社にとっても、そこで働く作業員にとってもメリットのあるシステム』なのです。それぞれのメリットは以下のとおりです。

　例えば建設現場のカードリーダーにCCUSの個人のカードを読み込むことで、その日の実績が登録されます。それがどんどん蓄積することで経験が見える化され、経験や資格に応じて適正な給与が支払われることにつながります。

　CCUSというシステムを建設業界全体で導入することで、真に実力のある会社や作業員が評価されるようなクリーンな建設業界となり、若者が就職しやすくすることを目的とした大規模なシステムなのです。

福島県におけるCCUSの現状

　福島県のCCUSの登録状況は以下のとおりとなっております。

ＣＣＵＳの登録者数	福島県	（参考）全国
技能者（個人）登録数	26,085人	1,048,086人
事業者（会社）登録数	2,905社	201,042社

　これに対して、令和３年（２０２１年）５月１７日に国土交通省が発表した『建設業許可業者数調査の結果について』にでは、福島県における建設業許可事業者数は８,８５６社となっておりました（令和３年３月末現在）。上記の表にあるCCUS登録の事業者数（２,９０５社）が、２０２２年のデータであり単純に比較はできないのですが、おおよそ３０％の普及率となっています。建設業許可を受けていない建設業者を含めると普及率はさらに下がるため、福島県でCCUSに登録している事業者様はまだまだ少ないという結果となっております。

登録方法を解説

技能者（個人）登録、事業者（会社）登録いずれも、基本的な登録の手順は以下のとおりです。

なお、申請の方法に関しては、①インターネット申請、②窓口申請の、２通りあります。

①インターネット申請

　１つめのインターネット申請とは、自分のパソコンを使いCCUSのインターネットサイトでの申請をすることです。わざわざ窓口に行くこともなく、受付時間も気にする必要がないため、オススメです。

　しかしながら、パソコン操作に慣れていなかったり、CCUS特有の言い回しや言葉があったりするため、申請が難しく感じる方もいると思います。そのような方は②の窓口申請か、若しくは私ども『CCUS登録行政書士』へご相談ください。申請者様に代わり、私が責任を持って申請します。

②窓口申請

　福島県における申請窓口は下記となります。なお平日のみ営業、12:00～13:00は不在となり、必ず予約をしてから窓口へ申請に行くようにお願いします。

　①インターネット申請、②窓口申請に関して、具体的な申請方法については、CCUSのホームページに詳しく掲載されております。下記のリンクからご確認をお願いします。

登録しないとどうなるの？

　CCUSへの登録は任意となっています。義務ではないため、登録していないからといって罰則が科されるようなことはありません。そのため、わざわざ登録料を払ってまで登録する必要があるかどうかについては、各事業者様や、技能者様のそれぞれの状況によって決定することとなります。しかしながら、CCUSは国土交通省などの国の機関が推し進めている事業ということもあり、今後は登録しないことで以下のような不都合が発生することが考えられます。

経営事項審査での加点がない

　令和５年１月に改正された経営事項審査にてCCUSに登録し、要件を満たすと以下のとおり加点となります。

要件	評点
直近事業年度に施工した全ての元請け工事において、CCUS上の現場登録とカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること。	１５
直近事業年度に施工した全ての元請け公共工事において、CCUS上の現場登録とカードリーダー設置等の就業履歴を蓄積するために必要な措置を講じていること。	１０

公共工事の受注に影響する可能性あり

　国や地方公共団体が建設業者を選定するにあたり、より信頼性の高い業者を優遇するというのは必然の流れです。客観的なデータで比較できるため、CCUSに登録されている事業者が選定されやすくなります。また入札の際に、CCUSに登録されている事業者は加点対象とする公共工事もあります。

元請業者から選んでもらえない可能性あり

　元請事業者が下請け先を選定する場合も同様です。また元請事業者が現場でICカードでの運用を開始している場合、下請け事業者に対して登録を指示する場合があります。申請から技能者のICカードが届くまでは１カ月から２カ月ほどかかるため、余裕をもった申請をお願いします。CCUS登録の対応が遅れると、元請事業者が他者を選んでしまうこともあり得ます。

　上記のとおり、登録をしないことによる影響が出てくる可能性があり、今後登録済みの事業者が増えれば増えるほど、その影響は大きくなることが考えられます。

まとめ

　本記事では、福島県でCCUSを登録するにあたり、CCUSの目的の説明をしたうえで、登録の方法や、登録しなかった場合の影響（必要性）に関して解説してきました。今後登録事業者や登録技能者がますます増えていくと思われますので、今後登録を検討されている事業者様、技能者様もその波に乗り遅れてビジネスチャンスを逃すことのないよう、自社の対応について今一度ご検討をお願いします。

　なお、弊所（行政書士セキネ事務所）は、CCUS登録の代行申請を行っております。CCUSの登録に関して不明な点などが御座いましたら、CCUS登録行政書士である当事務所までお気軽にご相談下さい。